5創作 銀河旋風ブライガー
by Cocona

『アステロイド子守唄』

「アイザックとメイとシンが旅行に行ったけど、さて俺達はどうする?」
キッドが何か良いアイデアがないかとボウィとお町に聞いた。
「そうだな、俺ちゃんはゆっくりとブライスターでドライブでもしようかな。かわいい女の子見つけて一緒にデートしてもいいかも」
ボウィはムフフと笑っている。それをみてお町は呆れていた。
「私はコンサートにでも行ってみようかな。静かにピアノ演奏なんか聞くのもたまにはいいかもね。キッドはどうする」
「俺はトレーニングでもして体鍛えておこうかな」
三人は折角の休暇だというのにこれと言ったあてもなかった。それならアイザックについて行けばよかったかもと少し後悔した。そこへコール信号が入った。ポ ンチョからだった。

「J9の皆さん助けて下さいでゲス。今からそちらにいくでゲスので詳しいことはそちらでお話しますでゲス」
何やら慌てているポンチョ。事件が起こったのかと三人は少し緊張が走った。ポンチョがJ9基地について部屋に入ってきたとき何やら普段聞かない声を聞い た。
「ホゲー、オギャー、ビエーン」
なんと赤ん坊の声だった。
「ポンチョ、どったのその赤ちゃん。まさかポンチョの子供?」
お町がギョッとした。ボウィもキッドも驚きの表情で赤ちゃんに目が釘つけになった。
「違うんでゲス。私の子ではないです。依頼者と仕事の話をしている時に急に依頼者が姿を消してこの赤ん坊だけが残されたんでゲス」
ポンチョは慌てて説明した。
「なんでまたそんなことが起こるの」
ボウィは泣き叫ぶ赤ちゃんを見て顔を歪ませた。
「それって置き去りにされたってことか」
キッドも赤ん坊の泣き声に参ったとでもいうように嫌な顔をしていた。
「だからあっしが今からその依頼者を見つけに行く間、預かって欲しいんでゲス」
それを聞いて三人は『えーー』と驚いた。
「ちょっと待ってくれよ。このJ9の俺達に赤ん坊を預かれだと」
それはごめんだとでもいいたげにキッドが不快感を表した。
「俺ちゃんもごめんだよ」
ポンチョは困った顔をしてお町を見た。
「お町さん、お願いでゲス、女性のあなたなら赤ん坊の一人や二人大丈夫でゲスよね」
「ちょっと待ってよ、私だって困るわ」
ポンチョはもうここは強行突破しかないと思った。
「これがオムツとミルクが入ってる鞄でゲス。この子の名前はマイキーって言うでゲス。後はお願いしますでゲス」
と慌てて言ったかと思うと走って逃げて言った。
「あー、ポンチョの奴!」
キッドが追い掛けた。しかしポンチョはさっさと自分の舟に乗り込んで去ってしまった。
「逃げられたぜ。なんてこった」

三人は泣き叫ぶ赤ちゃんを目の前に困り果てた。
「ねえ、お町さん、なんとかしてちょうだい」
ボウィが耳を塞ぎながら言った。
「ちょっと待ってよ、私だってわからないわよ」
バスケットの中で赤ちゃんは顔を真っ赤にして泣いていた。
「腹減ってるんじゃないのか」
キッドが言った。
「そうだよ、腹が減ってるのかもね。お町のお乳でもあげたら泣き止むんじゃないの」
「馬鹿!ボウィ!出る訳ないでしょ。そんなもん。そういうあんたがやんなさいよ」
「なんで俺ちゃんが」
赤ちゃんは一向に泣き止まなかった三人は困り果てた。お町はとにかく赤ちゃんを抱いてみた。それでもまだ泣いている。そして赤ちゃんをキッドに手渡した。
「おい、お町やめてくれよ」
キッドも慌てた。そしてボウィに押し付けた。
「なんで俺ちゃんに回ってくるんだよ」
そうやって3人は交替に赤ちゃんを抱っこした。
「こんなことやっても仕方ないわ」
お待ちは鞄を開けてミルクを探した。粉ミルクとボトルを見つけ台所に向ってミルクを作りに行った。ボウィは赤ちゃんを抱いてキッドはなんとか泣き止まそう と面白い顔をしてあやしていた。
「キッドさん、そんな姿アステロイドの女の子達に見せられないね」
「そういうボウィだって、赤ん坊を抱いている姿みせたら自分の子だと思われちまって大変だぜ」
二人はそう言うと顔を見合わせて少し笑った。すると赤ん坊も急に笑い出した。
「おい、赤ん坊が笑ってるぜ」
「ほんとだ。どっちゃったの」
二人は調子に乗って再び一緒にあやしだした。そこへお町がミルクをもってやってきた。
「あらお二人さん。中々やるじゃないの。二人がそうやっているとまるで夫婦みたいよ」
キッドもボウィも鳥肌が立った。
「馬鹿、お町冗談はやめろ。なんで俺がボウィと夫婦なんだよ」
「なんでキッドと」
二人は嫌悪感の顔をした。するとまた赤ちゃんも不安になって泣き出してしまった。
「お町が変な事いうからだぞ」
「そうだ。今度はお町の番だ」
ボウィはお町に赤ちゃんを押し付けた。
「ちょっと、んもう」
お町は赤ちゃんにミルクを与えた。するとごくごくと飲み出して泣き止んだ。
「やっぱりお腹が空いてたんだわ」
お町は少しほっとした。ミルクを飲み終わると赤ちゃんは寝てしまった。三人は少し胸をなで下ろした。

「だけどさ、いつまで俺達赤ん坊を預からなければならないんだ」
キッドはこれから先が思いやられると思うと早く赤ん坊とすぐにでも離れたかった。
「ポンチョがこの子の母親をすぐに見つけ出せるといいけどさ、もし見つからなかったらどうすんの」
ボウィも困った顔をしていた。
「でもなんでこの子を置いて母親はいなくなっちゃったのかしら。はじめから置き去りにするつもりだったのかな」
三人はバスケットの中ですやすやと眠る赤ん坊の顔を見ていた。泣いている時は大変だったが寝顔は天使のようにかわいかった。自然と三人は知らず知らずのう ちに微笑んでいた。
「ねえねえ、見てこのかわいいお手て」
お町が赤ちゃんの手を触った。
「おいおいあまり触るなよ。また泣き出したら困るぜ」
キッドはまさに寝た子を起すなと言わんばかりであった。するとやはりまた赤ちゃんはぐずつき出したかと思うとまた泣き出した。キッドはお町を恨んだ。
「今度はなんだ。もしかしたらオムツが汚れてるのか」
ボウィがそういうと三人は自分はごめんだというように赤ちゃんから一斉に離れた。
「俺、嫌だぜ、オムツなんて換えられないぜ」
「俺ちゃんだって、そんなことできません」
「私だって嫌よ」
言い争っている間にも赤ちゃんは泣き続けている。三人はここはじゃんけんで決めることにした。
「じゃんけん、ほい!」
負けたのはボウィだった。
「ひえ〜、俺ちゃんがするの。嘘でしょ」
「ボウィ、じゃあ頑張れよ」
笑いながら呑気に言うキッドであった。ボウィは鞄からオムツを取出したがどうするのかわからなかった。とにかく恐る恐るオムツ換えをしはじめた。側でお町 とキッドも恐る恐る見ていた。オムツを取り外したとたんボウィの顔に赤ちゃんのオシッコが噴水のようにかかった。ボウィは『ひえ〜』と叫んで尻餅をついて しまった。それを見ていたお町とキッド、ただお気の毒にという顔をするしかなかった。オムツを何とか換え、ボウィは何度も何度も顔を洗っていた。
「なんでこのル・マン・デ・ソールのチャンプの俺が」
ボウィは嘆いていた。

何時間経ってもポンチョから連絡はなかった。赤ちゃんは何度も泣いたりぐずついたりと三人を困らせた。その度に交互に抱いたり、あやしたり、ミルクをやっ たり、オムツを換えたりと赤ちゃんの世話に付きっきりだった。三人は非常に疲れていた。
「私、もうだめ。疲れた。後は宜しく」
「どこへ行くんだよ、お町」
キッドがちょっと立腹した様子で言った。
「もう夜中よ。早く寝ないとお肌に悪いわ」
「お町、それはないんじゃないの。俺ちゃんだって寝たい」
「そうだ、俺もこんなことしたくねぇ。女のお町の方がこの場合一番適しているんじゃないのか」
「あら、今の時代子育ては男も女も関係ないのよ。男だって積極的にするべきよ」
「ここはまたじゃんけんで決めるか」
「また俺ちゃん負けそうで嫌だぜ」
三人はあれやこれやと討論していた。やはりまた赤ちゃんは思いきり泣き出した。三人の顔は歪んだ。
「マイキー、お願いだから泣かないで」
お町は子守唄を歌い出した。そしてキッドもボウィも一緒にハモルように歌い出した。すると赤ちゃんは安心したのか泣き止んでまたすやすやと眠り出した。三 人はお互い顔を見合わせて笑った。そしてそのまま赤ちゃんを談話室に置いて三人は自分の部屋へ行って寝床につくのだった。

次の朝お町が慌てた様子でキッドとボウィを起した。
「ちょっと大変。マイキーがいないの」
キッドとボウィはベッドから飛び起きて寝巻きのままですぐに談話室へ走った。
「どこへ行ったんだ」
キッドが言った。そのキッドの寝巻きを見てボウィが驚いた。
「ちょっとキッド、いつもそんな格好で寝てたのか」
キッドは白いTシャツのようなものに赤いハートが一杯ついた短パンを履いていた。キッドは慌てた。
「いいじゃないか寝るときくらい。そういうボウィだってなんだよその格好」
ボウィは車の模様がプリントされたパジャマを来ていた。
「ちょっとそれよりも早くマイキーを探さなくっちゃ」
お町は心配で仕方なかった。三人は部屋の隅々まで探したが見つけられなかった。その時火災警報装置のアラームが鳴った。
「え、火事?!」
三人はすぐに部屋を出て他の部屋の様子を見回った。そしてキッドは台所にマイキーがいたのをみつけた。マイキーは掴み立ちをしていて電気コンロのスイッチ を触って遊んでいた。ちょうどタオルが電気コンロの上に覆い被さってそこから煙が黙々出ていた。
「あ゛! マイキー、何やってんだーー」
キッドはマイキーを抱き抱えた。そしてお町もボウィも台所にやってきて目の前で煙が黙々出てるのを見て驚いた。
「うわぁ、マイキーやってくれちゃって」
ボウィはタオルをすぐにコンロからどけて流台に投げた。煙が出ていたタオルからぼっと火が出た。
「燃えちゃってるよこれ」
ボウィは焦った。煙は台所に充満していてスプリンクラーがその時作動した。辺りは雨が降ったようになった。
「きゃー、やだ!誰か止めて」
お町は叫んだ。三人は右往左往していた。そしてボウィは滑って転けてしまい、お町は慌てて体が棚にぶつかりその拍子でお皿やグラスを落して壊してしまっ た。キッドもマイキーを抱いたまま走り回りマイキーだけが喜んで笑っていた。台所は一瞬にして水浸しになった。そしてタオルの火は消えた。台所の悲惨な様 子に三人は呆然としてしまった。マイキーの笑い声だけが部屋に響いていた。

「ちょっとこれ、どうしょう」
お町はどうしていいかわからなかった。
「痛てててて。俺ちゃん腰打ったよ」
ボウィは腰を押えていた。
「マイキー、お前やってくれるじゃないの」
キッドは呆れた声で言ってマイキーを抱きかえて高く上にあげた。
「アイザックが帰ってくるまでにきれいに片付けなくっちゃ」
お町はきれいに片付けられるか自信がなかった。マイキーをバスケットに入れただけではまたどこかへ行かれると困るので大きな布を持ち出してマイキーを包ん でボウィの背中に結び付けた。
「ちょっと、何やってるの」
「ボウィ、ちょっとだけ我慢してね」
「お町、なんで俺ちゃんなのよ」
「あなたが一番適役よ」
「俺もそう思う」
キッドもお町に同意した。ボウィは納得できなかった。
「とにかく皆でここを片付けましょう」
お町はため息をついて渋々と片付け出した。キッドもモップを持って水を掻き出した。ボウィもマイキーをおんぶしながら床をモップで拭いていた。マイキーは ボウィの背中が気に入ったのかうとうとと眠りに陥った。Tシャツにハートが一杯ついた短パンを履いてモップをもって掃除しているキッド。車のプリントがさ れたパジャマを着て赤ちゃんをおんぶしてモップを持っているボウィ。お町がまじまじとその姿を見ると急におかしくなってしまって笑いが止まらなくなった。
「何笑ってるんだよ、お町」
キッドが嫌な顔をしていた。
「だって、キッドもボウィも普段の姿から想像できないくらいの格好をしているんだもん」
「うっせい。ほっといてくれ」
キッドは怒ったが、自分でも悲しくなるのがわかった。
「俺ちゃん、こんな姿誰にも見られたくないよ」
ボウィも泣いた。そしてなんとか台所は片付いた。

マイキーはすっかり三人に慣れていた。そして三人もマイキーが泣いたときは慌てる事もなくチームワークでオムツを換えたり、ミルクをあげたり、抱っこした りと少し余裕でできるようになった。
「みんな子育てうまくなったんじゃない」
お町が言うとキッドもボウィも『イエ〜イ』と親指を立ててそれに答えた。
「それにしてもポンチョの奴、まだ連絡ないのか」
キッドはイライラしていた。
「アイツ、今度会ったら許さないんだから。ね、悪いおじちゃんですよね〜」
とボウィはマイキーに赤ちゃん用語で話しかけていた。するとコール信号が入った。大きな画面からポンチョの顔が現れた。
「ポンチョ!」
三人は怒り口調で声を合わせた。
「いや〜、これはJ9の皆さん」
苦笑いのポンチョであった。
「ポンチョ、この子の母親はどうなったんだ」
キッドが.聞いた
「それが大変な事になったでゲス。マイキーの母親は政治家の暗殺の話を知ってしまってそれを阻止するために私に依頼の話を持ちかけたんでゲスが、その事を 暗殺を企んでいる組織にばれてしまってどうも私との依頼の話の途中で彼女が席を立った間に拉致されたようなんでゲス。彼女が何者かに連れ去られた目撃証言 を得られたでゲス」
「政治家の暗殺?!ちょっとそんな話なら警察に言えばいいじゃない。なんでJ9に依頼する必要があるの」
お町が不思議がった。
「だからそれができなかったんでゲス。なぜならマイキーはその政治家の子供なんでゲス。しかも政治家はすでに妻子持ちなんでゲス」
きまずそうにポンチョは言った。
「えっ、それって愛人ってこと」
ボウィは驚いた。
「そうなんでゲス。ただでさえそういう噂が流れているので彼女が警察に言えばそれが公にばれてしまうのが都合が悪いんでゲス。ちょうど私と彼女が依頼の話 をしているときに彼女は何者かに追われていたらしくマイキーを守るためにもああするしかなかったんだと思うでゲス」
「なんてこったい」
キッドが言った。
「ちょっと、もしその母親になんかあったらマイキーはどうなるのよ。私達がずっと面倒みなくちゃいけないの」
お町ははっとした。
「ちょっと待ってくれよ、こんなことがずっと続くなんて嫌だぜ」
キッドもぎょっとした。
「うわぁ、何がなんでも母親救いださなくっちゃ」
ボウィも危機感を感じた。そして三人はアイザック抜きでその依頼を受けることにした。
「ポンチョ、で、その暗殺はいつなんだ」
キッドが聞いた。
「今日の夜八時オペラ開場でゲス」
ポンチョは詳しい情報を三人に話した。三人はすぐにマイキーの母親救出に向おうとしたがマイキーをどうするか躊躇した。
「助け出すのはいいけど、その間マイキーはどうするんだ」
キッドが言った。
「そうよね、置いていく訳にもいかないし」
お町も考えた。そしてキッドとお町はボウィを見つめていた。
「なんで俺ちゃんを見ているの」
「ボウィ、お前背中にマイキーをおんぶして救出できるか」
キッドが真剣に言うとお町も言った。
「ボウィ、できるわよね」
ボウィは驚いた。
「え゛ーー、俺ちゃんマイキーをおんぶして行くの」
「それしか方法はないんだ」
「ちょっと待ってくれキッド、それしか方法がないって、キッドがおんぶすればいいだろ」
「おしっこかけたボウィにマイキーは一番懐いているんだよ」
「こんな事はしてられないわ。早く行動しないと暗殺されちゃう」
とにかくマイキーを連れて三人はブライサンダーに乗った。そして暗殺される予定のオペラ開場へ出向いた。マイキーはボウィにおんぶされてすやすやと眠って いた。ボウィは覚悟を決めた。
「マイキー、事が終わるまでしっかりと寝ていてくれよ」

オペラ開場にはマイキーの父親と見られる政治家が特別席に座っていた。周りにはボディガードが二人付き添われていた。
「あれがマイキーの父親ね。自分は妻子がいる身なのに愛人に子供を作らせて。なんて男なの」
お町は納得できなかった。
「そんな事はどうでもいい、とにかく怪しい奴を探せ」
キッドは目を光らせていた。その時マイキーがぐずつきだした。ボウィは焦ってロビーへ出た。
「マイキー頼むよ。泣くのはやめて。よーしよしよし」
ボウィが体を揺らしてあやしている時に前から来た女性にぶつかってしまった。
「あ、ごめんなさい」
ボウィは咄嗟に謝った。その時にハンドバッグが落ち、中から銃のようなものがちらりと顔を出していた。ボウィはそれを見逃さなかった。女性は慌ててハンド バッグを持ち何もなかったように去った。
「まさか今のが」
ボウィはすぐにその女性の後を追った。女性はオペラ開場に入るとその位置から政治家の位置を確認していた。ボウィはその様子を見ていた。そしてその時幕は あがり辺りは真っ暗になった。その女性はハンドバッグから銃をそっと取出し政治家に向って狙いを定めていた。ボウィもそれを阻止しようとしたときいきなり マイキーが大声で泣き出した。静まり返った開場に響く赤ん坊の声は周りを注目させた。キッドとお町もマイキーの泣き声の方を見て、政治家に狙いをつけてい る女性を見た。
「あいつだ」
キッドは叫んだ。女性は政治家に一発撃ち込もうとしたとき、キッドは銃を撃った。そして女性の構えていた銃の位置がずれ政治家の横間近を飛んでいった。政 治家はそれに気が付きすぐに避難した。そして女性は失敗したかと思って逃げようとしたがすぐ後ろにいたボウィに取り押さえられた。
「マイキー、やっぱりお前はすごい赤ん坊だぜ」
ボウィはマイキーが泣いてくれた事に感謝した。キッドとお町もすぐにその女性のところへ駆け付けた。女性からマイキーの母親の事を問いただし警備員に女性 を引き渡した。場所がわかると三人はすぐに救出に向った。

あるビルの中でマイキーの母親は手足を縛られ床に転がらされていた。そこには男二人が見張っていた。そして仲間からの連絡で政治家の暗殺は失敗したときか されてかなり激怒していた。
「くそ、失敗した。何者かが邪魔したそうだ。もうこうなったらこの女にも用はない。可哀想だがここで死んで貰うか」
男はマイキーの母親に狙いを定めた。その時ドアが開きキッドがすぐに男二人を銃で撃った。お町はマイキーの母親の縛られていた手足を自由にしてやった。
「もう大丈夫よ」
「あなた方は?」
「私達はJ9よ。あなたの依頼通りに暗殺は阻止したわよ」
お町がにこっと笑って教えてやった。ボウィはマイキーの母親に近づいてマイキーを渡してやった。
「マイキー」
母親は喜んだ。マイキーも母親がわかるのか笑っていた。その姿を見て三人は微笑みながら喜んだ。そしてこの事件は一件落着した。

一仕事終えて三人はまたJ9基地へ戻ってきた。そしてどっと疲れが出て談話室の椅子に座り込んでしまった。
「これでやっと今日はゆっくり寝られるわ」
お町が言った。
「とんでもない休暇になったぜ」
キッドもテーブルに顔を置いて崩れていた。
「ああ、肩凝ったぜ。俺ちゃんにばっかりマイキーのお守りさせるんだもん」
ボウィは自分の肩を触っていた。そして三人見つめたテーブルの前にはマイキーが忘れた哺乳瓶がぽつんと置いてあった。大変だったとはいえ、急にマイキーが いなくなるのも寂しいもんだった。
「大変だったけどなんか良い経験だったかもね」
お町はマイキーの事を考えていた。
「ああ、でも俺は当分は子供欲しくねぇよ」
キッドが言った。
「俺ちゃんも気をつけなくっちゃ」
ボウィがふと言うと、お町もキッドも『えー』と言ってびっくりした。
「ボウィ、お前気をつけるっていっつもそういう事してるのか」
「馬鹿、キッド、言葉のあやだよ。あや」
「嫌〜だ。ボウィっていやらしい人だと思っていたけど、本当にいやらしい人だったのね」
「お町、なんて事を。俺ちゃんはそんな事ない」
三人はああだこうだと馬鹿らしい会話を続けていた。そしてマイキーのいないJ9基地はまた静けさを取り戻した。しかし三人にはどこかマイキーがまた泣き叫 んで自分達を呼ぶのではと思えてならなかった。


真似かねざる小さな訪問者
関わり持ちたくないはずなのに
過ぎてしまえば喉元すずし
側にいなければどこか寂しさ感ずる事も
耳に残る泣き叫ぶ声
歌ってみようアステロイド子守唄。

おわり

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